ソフトウェアを運用する
「
Apple Remote Desktop
」を使うと、
Apple Remote Desktop
管理用コンピュータまたは
Mac
OS X Server
を実行するコンピュータからクライアントコンピュータにソフトウェアと関連ファ
イルを配布できます。
Xserve
クラスタノード
マーケティング部
エンジニアリング部
NetInstall
イメージ
NetBoot
イメージ
起動
ディスクを
設定
管理用
コンピュータ
Mac OS X Server
インストールパッケージ
(
.pkg
または
.mpkg
)
を運用
UNIX
シェル
スクリプトを運用
設定ファイルを
運用
ドラッグ&ドロップ
アプリケーション
フォルダを運用
16
第
1
章
Apple Remote Desktop
を使用する
インストーラパッケージを配布する
.pkg
および
.mpkg
形式のパッケージは、配布して自動的にインストールできます。
「
Apple
Remote Desktop
」を使うと、ユーザとの対話や中断を必要とせずに、またユーザがログインし
ていなくても、ソフトウェアやソフトウェア・アップデートを
1
台以上のクライアントコンピュー
タにインストールできます。インストールが完了すると、
「
Apple Remote Desktop
」はインス
トーラファイルを削除します。オペレーティングシステムのアップデート後のように、コン
ピュータを再起動する必要がある場合は、
「
Apple Remote Desktop
」からコンピュータを再起
動できます。
たとえば、アップルの「ソフトウェア・アップデート」を使用して、
「
iCal
」のアップデートやオ
ペレーティングシステムのアップデートをテストコンピュータにダウンロードできます。アップ
デートが想定通りに動作し、互換性に問題がないことが分かったら、インストーラパッケージを
管理用コンピュータにコピーして、アップグレードが必要なコンピュータに配布します。この方
法だと、ダウンロードする必要のあるパッケージコピーは
1
つだけなので、インターネットの帯
域幅が節約されます。
また、
「
Apple Remote Desktop
」を使って、計算用ソフトウェアの新しいバージョンをクラス
タノード内の
Xserve
コンピュータで運用することもできます。
「
Apple Remote Desktop
」のインストール
CD
およびアップルの「
Developer Tools
」に含まれ
る「
PackageMaker
」ツールを使用して、次のような場合に独自のインストーラパッケージを作
成できます:
Â
学校のプロジェクト教材や、ビジネス用のフォームやテンプレートを配布する
Â
複数のインストーラパッケージのインストールを自動化する
Â
カスタムアプリケーションを運用する
リモートインストールを実行する前に、
Apple Remote Desktop
テキストメッセージを送信して
ユーザに通知できます。そうすれば、インストールを始める前に、
「
Apple Remote Desktop
」を
使用してユーザの画面を特定の時間にロックすることをユーザに知らせることができます。
NetInstall
イメージを使用する
NetInstall
イメージを使って、
Mac OS X
オペレーティングシステムを含むソフトウェアを配布
およびインストールすることもできます。
Mac OS X Server
では、「ネットワークイメージユーティリティ」を使って
NetInstall
イメージ
を作成します。すでにインストールおよび設定されているシステムのクローンを作成するか、
アップルの「ソフトウェア・アップデート」を使ってダウンロードしたイメージやインストール
ディスクを使うことで、イメージを作成できます。自動インストールを選択した場合は、各コン
ピュータと対話する必要はありません。
Apple Remote Desktop
管理用コンピュータで、リモー
トにあるクライアントシステムの起動ディスクが
NetInstall
イメージを指すように設定し、クラ
イアントをリモートで再起動してインストールを開始します。
終了後にコンピュータの再起動が必要なインストールを開始する前に、
Apple Remote Desktop
テキストメッセージをクライアントユーザに送信して、インストールが始まることをクライアン
トユーザに通知します。たとえば、オペレーティングシステムのアップデートをインストールす
るため、午後
5
時にユーザがログオフされることをユーザに通知します。
第
1
章
Apple Remote Desktop
を使用する
17
NetBoot
イメージを使用する
Mac OS X Server
を使って作成できる別の種類のシステムイメージとして、
NetBoot
イメージが
あります。
NetInstall
イメージと同様に、クライアントコンピュータは
NetBoot
イメージを使っ
て起動します。ただし、起動ソフトウェアはクライアントシステムにインストールされません。
起動ソフトウェアはリモートサーバ上にあります。
「
Apple Remote Desktop
」がインストール
および構成されている
NetBoot
イメージを使用することをお勧めします。そうしないと、
NetBoot
から起動した後で「
Apple Remote Desktop
」を使ってコンピュータを管理することが
できなくなります。
NetBoot
イメージから起動するクライアントコンピュータは、起動のたびに最新のシステム環境
を取得します。このため、異なる作業環境や最新の作業環境を必要とする複数のユーザによって
特定のコンピュータが共有される場合や、クラスタノードで新たな実験を開始したり別のコン
ピューティング環境を使ったりする場合に、
NetBoot
イメージを使うと便利です。
「
Apple Remote Desktop
」を使って、クライアントシステムの起動ディスクが
NetBoot
イメー
ジを指すように設定してから、
「
Apple Remote Desktop
」を使ってシステムをリモートで再起
動できます。ユーザは、
「システム環境設定」の「起動ディスク」パネルを使って、起動用の
NetBoot
イメージを選択することもできます。各コンピュータを個別に手動で再起動して設定し
なくても、数回クリックするだけで、ラボやクラスタ内のすべてのコンピュータを再設定するこ
とができます。
環境設定ファイルを配布する
管理対象コンピュータでは、多くの場合、アプリケーションのインスタンスごとに標準の環境設
定が必要です。アプリケーションの環境設定の置き換えやアップデートが必要なときに環境設定
ファイルを配布するときは、
「
Apple Remote Desktop
」を使います。たとえば、標準化した環
境設定ファイルを現在ログインしているユーザの「ライブラリ
/Preferences
」フォルダにコピー
できます。
UNIX
シェルスクリプトを使用する
「
Apple Remote Desktop
」を使って、
UNIX
シェルスクリプトをクライアントコンピュータに配
布し、実行できます。
たとえば、スクリプトで
AFP
サーバボリュームをマウントし、このボリュームからディスクイ
メージをクライアントコンピュータにダウンロードすることができます。また、スクリプトでイ
ンストーラパッケージをダウンロードしてから、コマンドラインインストールを実行することも
できます。
クラスタノード内の
Xserve
で、
高スループット用に設計された
RAID
ボリュームをマウントする
スクリプトを実行してから、大きいデータセットをダウンロードして処理することもできます。
また、「
Apple Remote Desktop
」を使って、
ワークフローや計算用クラスタのジョブ命令
を自動化する
AppleScript
ファイルを配布することもできます。
18
第
1
章
Apple Remote Desktop
を使用する
ドラッグ&ドロップアプリケーションを配布する
独立型の(ドラッグ&ドロップ)アプリケーションを
1
台以上のクライアントコンピュータにコ
ピーすることで、それらのアプリケーションを配布およびインストールできます。たとえば、ア
プリケーションのアップデートを配布するときに、この方法を使います。
インストールを検証する
インストールが正常に完了したかどうかを確認するときは、
「
Apple Remote Desktop
」のリモー
ト制御機能を使います。
たとえば、アプリケーションをリモートで開始したり、特定のファイルを検索したりすることが
できます。また、ファイル検索レポートを使って、アプリケーションのすべてのファイルが正し
くインストールされていることを確認することもできます。